不倫相手に脅されて別れられない場合はどうすればいい?
浮気相手との別れを考えているものの「別れ話を切り出すと相手が怒ってしまい、別れられない」というケースはよくあります。
場合によっては、金銭的要求などで脅されてしまい、別れるのが難しくなってしまうケースもあるようです。
今回は、浮気相手に脅されて別れられない場合の対処法について解説します。
目次
1.「浮気相手に脅される」事例
「浮気相手に別れ話をしたら相手が泣いてしまい、関係の清算を拒まれてしまう」というケースはありがちです。
また、単に別れを拒むだけではなく、以下のような文言で脅しをかけてくる場合もあります。
- 別れるなら「会社にバラす」
- 「今すぐ配偶者に電話する、メールする(バラす)」
- 別れるなら「慰謝料を支払ってほしい」
- 別れるなら「あなたを殺す」「私が死ぬ」
「別れたくない一心で、心にもないことを言ってしまった」という一時的な怒りからの脅しなら、これ以上事を荒立てる必要はないかもしれません。
しかし、別れ話をした次の日も、翌週も上記のような脅しが続いた場合には、何らかの対処法を考えなければいけません。
放置しておくと、脅しの内容が実行されてしまう可能性もあります。
2.浮気相手に脅された場合のNGな対応
浮気相手に脅されたとき、家族や会社にバレたくない一心で、当事者間で解決しようとすることが多いです。
この時、やってはいけない NGな対応方法がありますので、事前に確認しておきましょう。
(1) すぐに言い値で慰謝料を支払う
脅し文句の中でもよくあるのが、慰謝料を請求されるパターンです。「バラされたくないなら慰謝料を支払え」などと言われた場合、支払う必要はあるのでしょうか?
まず、「慰謝料」とは、相手に対し不法行為によって精神的苦痛を与えた場合に償い金として支払う金銭のことを指します。
例えば、交通事故で相手が怪我を負い治療のための精神的苦痛を与えた場合や、不倫によって円満な夫婦関係が壊した場合には、慰謝料を請求されたら支払う必要が出てきます。
浮気相手から慰謝料を請求されるケースの場合、和解金(いわゆる手切金)としていくらかお金を支払うケースはあります。
しかし、これは両者が合意の上で不倫関係解消等を目的に支払うものです。相手から「慰謝料を支払え」と脅されて支払うべきものではありません。
既婚者と独身者の関係が終わりとなったとしても、通常の恋愛の終了と同じですので、基本的に支払う義務はないのです。
[参考記事]
不倫相手に手切れ金を支払う場合の注意点
もっとも、浮気相手に慰謝料支払いを要求された場合に必ず支払わずに済むということでもありません。
あなた自身が既婚者であることを隠して積極的に不倫関係を続けていた場合には「貞操権を侵害した」として浮気相手が慰謝料を請求することはできます。
[参考記事]
貞操権侵害とは|意味、具体例、慰謝料相場を解説
とは言え、相手が怒りに任せて要求してくるお金は過大な請求であることが多いです。
財力のある方の場合は特に「お金で解決できるなら…」とすぐに対応してしまう方も多いですが、お金を請求されたからとってすぐには支払わず、一度弁護士に相談することがお勧めです。
(2) ズルズルと関係を続ける
「別れるなら、奥さんにバラす」「私が死ぬ」といわれ、どうしようもなく関係を続けるケースもあります。
金銭は要求されていなくとも、不倫関係をバラされるのが怖い、あるいは相手の身を案じて何もできない、という理由でそのまま不倫関係を継続してしまいます。
しかし、ズルズルと関係を続けていても意味はありません。いつかは終わらせなければいけない関係です。
ここで終わらせたいと望むなら、できる限り早く相手から離れる方がお互いの将来にとっても良い影響を与えます。
確かに配偶者にバラされるのは困りますが、続けていてもいつかはバレることでしょう。
ほとんどの不倫関係は配偶者や家族、周囲の人にバレることで終了するため、早めに清算する必要があるのです。
また「死ぬ」と脅していても、相手が実行に移すことは少ないです。多くの場合は、別れたくないから脅しているだけです。相手の将来のためにもこのまま関係を続けるのはよくないことを冷静に話しましょう。
室内で話していると冷静になれない場合は、カフェやレストランなど人目のある場所で話すという方法もあります。
脅されているからといって、別れを諦める必要はありません。相手が冷静になれそうなら、別れ話は続けていくべきです。
3.浮気相手に脅された場合の正しい対応方法は?
最後に、浮気相手に脅された場合の正しい対処法について見ていきましょう。
(1) 弁護士に相談する
浮気相手に脅されてしまったら、弁護士に相談してください。専門家が入ることで浮気相手も冷静に対応してくれるケースがほとんどです。
弁護士に依頼すれば、その後は浮気相手と直接会話せずに済みます。慰謝料に関する問題については、弁護士を通すように相手方に伝えるためです。
なお、もし相手から一方的な連絡があっても、弁護士に伝えて連絡を返さないようにしてください。弁護士を通さずに裏で話を進めてしまうとトラブルが大きくなってしまうことがあるからです。
弁護士としては、浮気相手に慰謝料をこちらが支払う必要がないことや、もし配偶者にバレた場合には浮気相手本人が配偶者から慰謝料請求を受ける危険があること、バラすと脅して金銭を要求することは脅迫罪や恐喝罪になるということを説明します。
多くのケースでは、このように具体的なリスクや解決方法を提示すれば、冷静に交渉に応じてくれます。
弁護士に具体的な脅しの内容などを相談すれば、交渉により慰謝料を支払わずに済む可能性も十分にあります。
一方、依頼者との事前の話し合いで和解金を支払う用意がある場合には、これについても説明し交渉します。
(2) 和解文書を作成する
最終的には、トラブルの蒸し返しを防ぐために、お互いが合意した内容を書面として残します。
これは、弁護士が間に入って文書作成することで、再度金銭を要求されるようなトラブル・家族にバラすなどの問題を防ぐ条項を確実に盛り込むことができます。
もちろんご自身で交渉することも可能ですが「浮気相手と冷静に話ができない」というケースも多いので、トラブルが現実化する前に専門家である弁護士に早めにご相談することをおすすめします。
(3) 警察に相談する
弁護士に相談した上で、警察に相談すべきケースもあります。例えば、以下のような発言をしている場合です。
- あなたや配偶者を殺すと脅している
- 家族にバラすと言われ、金銭を支払わされた
- 刃物を持ち出したことがある
- 実際に暴力を振るわれた
- 会社に連日電話や訪問をする
- 家に落書きをするなどの嫌がらせをする
このような場合は、脅迫罪や恐喝罪、暴行・傷害罪、威力業務妨害罪、器物損壊罪、ストーカー規制法違反など、さまざまな犯罪が成立する可能性があります。特に実際の被害や証拠がある場合には、警察に被害届を出せば動いてくれる可能性は高まります。
例えば、脅迫や恐喝を受けたのであれば、そのメールや電話の録音などが客観的な証拠となります。他にも暴行された場合の診断書、落書きされた場所の画像データなどがあれば、警察も動きやすくなるでしょう。
ただし、警察は必ず動いてくれるわけではありません。メールで脅されていることを証拠として持っていったとしても、相手方に警告をしてくれる程度で刑事事件としては立件できないといわれてしまうこともあります。
脅しや嫌がらせの内容、証拠にもよりますので、まずは弁護士に脅しの内容を相談することをおすすめします。
警察に相談することは場合によっては有効ですが、不倫相手が余計に逆上してしまうこともあります。逆上すると、家族や会社にバレるリスクも高まってしまうだけでなく、身に危険が及ぶケースもあります。
相手を不必要に怒らせないように、慎重に進めていく必要があるでしょう。
4.浮気相手に脅されたら弁護士に相談を
浮気相手に脅されたら、まずは弁護士に相談しましょう。
ご自身で交渉することは不可能ではありませんが、トラブルが大きくなりがちです。金銭的に過大な金額を支払ってしまうこともありますし、和解書の内容に漏れがあり、トラブルが再燃することもあります。
専門家である弁護士に任せればこのようなリスクを最小限に抑え、より良い解決を望めるはずです。