示談

旦那の不倫相手が慰謝料の領収書がほしいと言ってきた場合の対応方法

不倫相手に慰謝料を請求したら、「支払いを証明できる領収書がほしい」と言われることがあります。
「不倫慰謝料に領収書なんて必要ある?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。

実際のところ、領収書を要求されたら相手に渡す必要があります。

今回は、夫の不倫相手が慰謝料の領収書がほしいと言ってきたときの正しい対応方法をご説明します。

1.不倫慰謝料に領収書は発行すべきか

不倫慰謝料できちんとした示談書を作成している場合は、通常示談書が領収書の代わりとなります。
示談書の内容に、「慰謝料として○○万円受領しました」とする内容が書かれているため、領収書の役割を果たします。

もっとも、別途簡易の領収書もほしいと言われることもあります。

「不倫相手に慰謝料の領収書の発行をお願いされたけど、なぜ?」
「確定申告で経費として提出するつもりなのでは?」

このように、不倫相手から領収書の発行を要求されたら疑問に思う方も少なくありません。

また、人によっては不倫があったこと自体を誰にも知られたくない、なかったことにしたいと考えるため、何らかの書面を発行すること自体を嫌がることもあります。

しかし、不倫慰謝料であっても受け取りの際に領収書の発行をお願いされたら応じるべきです。

というのも、民法486条では「弁済をした者は、弁済を受領した者に対して受取証書の交付を請求することができる。」と、規定しています。
弁済とは支払いのことを指すので、不倫慰謝料であっても示談合意の通りに支払いを行ったのであれば領収書を発行すべきです。

支払いを行った側からすると、きちんと慰謝料の支払いを行ったことを証明できないと再度請求されるリスクがあると考えます。

何度も慰謝料を請求されることにならないよう、また事後的なトラブルに発展しないように、民法は領収書の交付請求を認めているのです。

どのような名目で必要になるのかはわかりませんが、冷静に対応して領収書を発行するのが大人の対応といえるでしょう。

2.不倫慰謝料の領収書の書き方

不倫慰謝料の領収書を渡すとしても、「形式や書き方はあるの?」と心配になるでしょう。
そこで、次は形式や書き方、例文についてお伝えいたします。

(1) 領収書の形式・書き方・内容

不倫慰謝料の領収書を作成する場合は、通常の領収書を作成する方法で構いません。

書式

PCで作成しても、手書きでも構いません。市販で売っている領収書を活用しても良いでしょう。
作成する人は、慰謝料を請求する方となります。

内容

内容としては、金額、日付、相手の名前(宛名)、発行者の氏名を書きましょう。
但書には、「令和○年○月○日示談成立の慰謝料」と書けば大丈夫です。

受け渡しの方法

領収書を渡す方法としては、現金払いの場合は領収書と現金を交換するようにすると良いでしょう。

【分割払いの場合、毎回直接会って領収書を渡さなければいけないの?】
分割払いの場合、その都度領収書の発行を請求されたら面倒です。
この場合、銀行振り込みを利用するのがおすすめです。現金の場合は要求されたら上記でご説明した領収書を発行しなければいけませんが、銀行振り込みの場合は、支払い明細書が支払ったことの証拠となるためです。
さらに、この方法なら、相手に毎回会って直接お金を受け取らずに済みます。不倫相手に会うと、感情的にも複雑な気持ちになってしまうため「会いたくない」というのが通常だと思います。
会わずにきちんとしたやりとりをしたいのであれば、銀行振り込みが適切だといえるでしょう。

 

以上が、領収書の発行方法となります。
完済証明書がほしいといわれた場合でも、示談書がある場合は上記のような簡易の領収書で十分です。

(2) 不倫慰謝料の領収書のテンプレート

示談書を作成していない場合、領収書が示談書に近い役割を果たすことになります。

特に、慰謝料を支払うことにより不倫問題を解決したという証拠として利用できるケースもあるため、相手が望む場合は簡易の領収書よりは丁寧なものを作成しても良いでしょう。

具体的には以下のようなものが見本となります。

3.慰謝料の受け渡しの際の注意事項

不倫に関する問題は適切に対処して早く問題を解決できることが大切です。
長引くと面倒なことになり、相手への感情も拗れてしまいがちです。

慰謝料の受け渡しをする際は、きちんとした形で行う方が良いでしょう。

最後に、慰謝料受け渡しの際の注意点を確認しておきましょう。

(1) 現金の場合は本人確認をする

まず、現金の場合は本人確認を行うようにしましょう。
お互い初めて会うというケースもあるため、身分証明書などを見せ合い、当事者であるのかを確認すべきです。

(2) 振り込みの場合は期限を設ける

また、銀行振り込みにする場合には、必ず支払い期限を設定しましょう。

「一週間程度で振り込む」と相手が言っても、実際に実行するかはわかりません。
「○月○日までに振り込んでください」などきちんと明示した上で、書面で残しておくと良いでしょう。

念のため、相手の銀行口座や住所、連絡先も聞くようにしてください。

(3) 面倒でも示談書は作成する

慰謝料の領収書作成の方法をお伝えしましたが、できればこれに加えて示談書も作成しておくべきです。

領収書で簡易の示談書の役割を果たすこともできますが、今後不貞をした配偶者と不貞相手が一切会わないなどの誓約書なども作成する場合、きちんとした形の示談書を作成しておく方がより好ましいといえるからです。

作成が面倒だという以外にも、大事にしたくない、誰にも知られたくない、示談書の書き方がわからない、弁護士を挟むと費用がかかるなど、示談書の作成が億劫になる要因は幾つかあります。
しかし、示談書の作成は慰謝料を請求する側にとってもメリットがあります。

特に、分割払いを認めた場合は、公正証書を作成することで支払いが滞った場合に強制執行をかけることも可能です。ただこれには相手方の同意と出頭が必要です。

このように、示談書はできる限りきちんとした形で作成すべきです。不安がある場合は、専門家である弁護士に相談してみてください。

[参考記事]

不倫慰謝料の示談書の書き方(テンプレート付き解説)

4.不倫慰謝料に関するお悩みは弁護士に相談を

今回は、不倫慰謝料の領収書についてご説明いたしました。
不倫相手に何かを要求されるだけでも不満を感じてしまうかもしれませんが、そこは冷静に、大人の対応で乗り切りましょう。

領収書だけでなく、きちんとした示談書を作成したいという方は弁護士にご相談ください。

不倫に関するトラブルは、弁護士と共にできるだけ早めに解決しましょう。

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