不倫の慰謝料請求をされた側の気持ち・心理
不倫が発覚すると、不倫された側の配偶者は深く傷つきます。今後の結婚生活を続けるべきかどうかまで真剣に考えるでしょう。
なんとかして婚姻生活を続けたいというケースでも、けじめは必要です。とにかく謝罪してほしい、復讐したいという気持ちの他に、けじめの1つとして不倫相手への慰謝料請求を選ぶ方は少なくありません。
しかし、実際のところ、不倫相手や浮気した配偶者には、慰謝料請求によりどれほどの制裁の効果を与えられるのでしょうか?
今回は、不倫で慰謝料請求された人の気持ち・心理をご説明いたします。請求された側の心理を説明した上で、慰謝料請求に躊躇する人が知っておくべきことを解説します。
目次
1.不倫慰謝料を請求された側の心理
早速ですが、慰謝料請求をされた側の心理を見ていきましょう。
慰謝料請求する側の「謝罪してほしい」「復讐したい」「けじめをつけたい」という気持ちは、不倫の相手方や有責配偶者(不倫をした夫や妻)に伝わっているのでしょうか。
(1) 慰謝料請求の事実にショックを受ける
不倫の慰謝料請求を受けると、多くの方は請求された事実にショックを受けるそうです。まさかバレるとは思っていなかったという方が多いのでしょう。
バレたとしても、慰謝料請求までするはずがないと思っていたという方もいます。
実は、不倫相手の配偶者から「慰謝料を請求する」と言われても口だけだろうと思っていたのが、現実になった途端、不安になり弁護士事務所に相談される方も多いです。怖くなって「二度と会わない」とすぐに約束される方もいます。
実際に請求を受けた金額を見て、「こんなの支払えるはずがない」と不安になり、謝罪の上で請求を取り消してもらえないか、あるいは減額できないかと考える方も少なくありません。
(2) 「証拠はないはず」と誤魔化そうとする
不倫慰謝料を請求されたら、ショックを受けるのが一般的な反応です。
しかし、人によってはショックを受けるよりも先に「不倫の事実はなかった」と誤魔化そうとする人もいます。
この場合は、あまり反省しておらず、「嘘をついて誤魔化せば良い」と考えている可能性があるでしょう。証拠はないから大丈夫だと高を括っているのです。
しかし、このように反省していない態度を見せていても、それは表面だけであり内心は焦っている方もいます。「慰謝料なんて請求できるはずがない」と信じたい気持ちから強気な態度に出るのです。
このような心理に陥っている場合、弁護士が介入した途端に態度を軟化させるケースもあります。
最初は誤魔化そうとしていても、実際に支払いをしなければいけなくなったときには大きなショックを受けるでしょう。
(3) 金額が相場より少ないと安心する
実際のところ、慰謝料請求による精神的苦痛をどれくらい受けるのかは個人差があるといえるでしょう。
また、請求された金額によってもショックの度合いが変わるという意見もあります。例えば、10万円や20万円程度なら「この程度なのか」と安心する方もいるそうです。
「現実に支払える額なので、まぁいいか」と思う方も中にはいるということです。
特に金銭的に余裕がある人は、お金を支払わなければいけないことに対し、反省するという態度は見せないことが多いようです。そのため、相手の収入や地位なども考慮して最終的な請求金額を考える必要があるでしょう。
[参考記事]
不貞行為の慰謝料相場の判例を解説
以上から、慰謝料請求を受けた人は通常ショックを受け反省しますが、人によってはそうはいかないこともあります。
しっかりと相手に反省してもらうためにも、相応の額を請求するのが効果的です。
2.不倫慰謝料請求に躊躇する人が知っておくべきこと
穏便に物事を済ませたいと考え、不倫慰謝料を請求することに抵抗を感じる方もいらっしゃいます。
しかし、不倫慰謝料を請求することは、不倫された配偶者にとって様々なメリットをもたらします。
(1) 慰謝料請求は正当な権利
慰謝料請求を躊躇しているという方の中には、「お金目当てだと思われたくない」など周囲の目を気にしている方もいらっしゃるでしょう。
確かに、損害賠償請求ですから、相手からお金を受け取ることになります。しかし、実際のケースでは、不倫の慰謝料請求でお金に困って請求する人は少ないといえます。
例えば、「どれくらいの金額を請求したいですか?」と聞いても、「金額の問題ではないので、特にありません」と答える方も少なくありません。
もちろん、不倫が原因で離婚をする場合は、離婚後の生活費を賄うためにお金が必要ですが、多くの場合はお金を理由に慰謝料請求するわけではなく、相手に謝罪などの誠意を求めるために損害賠償請求をするのです。
慰謝料請求すること自体はなんら恥ずべきことではなく、ご自身が受けた被害に対する正当な賠償を得る目的で行うのだということを忘れないでください。
「不倫慰謝料請求をされたことで精神的苦痛を受けた」として逆に訴えられる、ということも勿論ありません。
(2) 謝罪だけでは相手は反省しないことも多い
相手に誠心誠意反省してほしいだけなら、「謝罪を受けるだけでも良い」ともいえます。
確かに、「直接謝罪を受けること」「二度と配偶者に接触しないこと」などを条件に、賠償金の支払いなしで示談をする方もいらっしゃいます。
しかし、謝罪のみだと相手は反省せず、形だけの謝罪で済ませる可能性もあります。また、金銭的賠償がないなら、また会っても大丈夫だと考え不倫関係を継続する可能性もあるのです。
すなわち、きちんと損害賠償請求をすることで、精神的苦痛に対する償いも関係の清算も確実となるのです。
同じ相手に何度も苦しめられるのを防ぐには、法律上認められた損害賠償請求できちんと清算するのが一番の解決策です。
このように、不倫問題に終止符を打つためにも、慰謝料請求は効果的な方法といえます。
3.不倫慰謝料請求は弁護士に相談を
慰謝料請求を受けた側のショック度は、個人差があるため一概に測る事ができません。
しかし、慰謝料請求をすることは不倫関係を終わらせるため、不倫された側の配偶者が気持ちに区切りをつけるために有効です。
不倫慰謝料を請求したい方は、弁護士にご相談ください。弁護士と一緒に手続きを進めることで、相手にも深刻度が伝わります。
泉総合法律事務所の弁護士が、適正額の損害賠償請求をサポートいたします。ぜひ一度、当事務所の無料相談をご利用ください。